蓮の茎から繊維を取り出し織り上げる蓮織りは、世界的にも幻の布といわれています。…
ハスの茎からは、2種類の繊維がとれます。
茄糸(かし※写真上)は、茎の外側の部分です。果肉を溶かし繊維を採りだし、水洗いを行い乾燥させて紡いで織ります。
藕絲(ぐうし※写真下)は、ハスの茎から抜き出したクモの糸のような細い糸で、これを紡いで織ります。40kgの茎から2gの絲が採取できます。
茄糸は、国内にて毎年5000平米の土地から20kgの採糸を行っています。
藕絲織りは、アジアの湖上生活の一族に代々受け継がれています。
「蓮」は、約、1億4000万年前の恐竜時代には既に地球上に存在していたという植物としては最古の貴重なものです。
そのハスの絲を使った織物は、インドのマハーバーラタの文献の一節に「蓮根、蓮絲を売る」という文章に記され紀元前四千年ごろから繊維として使われていたと見られます。
日本国内の最古の藕絲織りとしては奈良の「當麻寺」に4メートル四方の“国宝當麻曼荼羅”が現存しています。
蓮は、お釈迦様が蓮のつぼみから誕生された云い伝えから仏教に大変縁が深く、現地でも高僧がまとう法衣や袈裟としてお寺に奉納するために織られるものがほとんどでわずかな量しか作っていません。また、茎の収穫から糸の生産までのすべてが手作業でおこなわれ、熟練の技術と半年の期間を要する貴重なもので「幻の絲・幻の布」といわれています。
大変貴重な絲から生まれた現代的な「お 守 り」
蓮のイ ノ チを生かし、手のぬくもりを伝える独自の素材で、蓮の香りに包まれ、冬は暖かく夏は涼しくつかえば使うほど、いっそう楽しめる風合いになっていきます。